グリストラップの設置基準がすぐにわかるようになる方法

排水口に設置されるグリストラップは、ゴミの除去や油脂分の除去のために設置されています。グリストラップがなければ、排水口内が油詰りやゴミ詰りといった問題が起こる可能性があり、また汚れがそのまま下水になって流れてしまいます。

しかし、グリストラップを設置する場合は費用が掛かってしまうので、できれば設置したくないという人も中にはいるかもしれません。そこで、この記事ではグリストラップの「設置基準」や「設置義務」「設置しなかった場合の営業許可」などについてご紹介します。

グリストラップの設置基準と3つの法律と地域条例

グリストラップの設置に関して、3つの法令を遵守する必要があります。「建築基準法」「下水道法」「水質汚濁防止法」です。ここからは、各法令の意味や自治体の条例についてもう少し詳しく説明します。

建築基準法

「建築基準法施行令第129条」がグリストラップの設置などに該当する部分です。国土交通省の定めた構造方法により、グリストラップを設置しなければならない旨が定められています。

(参考:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325CO0000000338_20180401_429CO0000000156

下水道法と水質汚濁防止法

排水の基準に関しては「下水道法」の第12条と「水質汚濁防止法」の第3条で規制されています。1日あたりの排水量が50トン以上の事業所で、420平方メートル以上の飲食店において、ノルマルヘキサン抽出物質(動植物油脂類)の数値が30ミリグラム/リットル以下という基準です。

下水道法:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=333AC0000000079#246

水質汚濁防止法:http://www.env.go.jp/council/09water/y0912-01/ref03.pdf

地域の条例

設置基準は、食品加工施設がある地域の条例によっても異なります。すべての食品加工施設に設置を義務付けている自治体もあれば、そうではない自治体もあります。開業する際は、その地域の条例に従って、設置をしなければなりません。

地域によって環境条件は異なりますので、自治体ごとに地域事情を考慮した独自の条例を制定しています。基準を守らない場合の罰則規定をもうけている自治体もありますので、地域の条例を確認しておきましょう。

各都道府県の条例

各都道府県の条例に沿って設置基準が定められていますので、食品加工施設を開業しようとする場合は、その地域の行政に問い合わせるのが一番確実です。

地域の自治体の下水道担当課がサポートしてくれますので、開業に必要な条件など相談してみましょう。知らずに放置しておくと、後で大きなトラブルに発展することも考えられます。ここからは、いくつかの自治体が設定しているケースを詳しく解説します。

東京都の場合

グリストラップなどについて規定されている箇所は、東京都下水道条例施行規程第3条の2です。基本的に東京都は全ての飲食店に設置を義務付けています。
(参考:http://www.gesui.metro.tokyo.jp/about/regulations/kitei/

グリストラップ未設置は、排水管や下水道管への悪影響となるだけではなく、公衆衛生の面からも未設定は施設として不適格という見解です。また、河川や東京湾への水質悪化を防ぐためといった目的で、全ての食品加工施設に設置を義務付けています。

大阪府高槻市の場合

大阪府高槻市の場合も、下水道法上の基準に合致するように設置を求めています。食品加工施設から下水道へ排水する場合の基準を設けており、油脂に関するものは1リットルにつき30ミリグラム以下であることが定められています。

大阪府高槻市には明確な設置規定はありませんが、下水道法での設置基準によって設置の必要性を判断しています。排水についての既定によって、下水道法で既定している数値がクリアできない施設は、グリストラップを設置しなければいけません。
(参考:http://www.city.takatsuki.osaka.jp/bunsyo/reiki_int/reiki_honbun/k209RG00000294.html

横浜市の場合

横浜市では、グリストラップではなく「オイルトラップ」という名称になっています。オイルトラップの排水基準や設置基準はありません。これはオイルトラップを配管設備の一部と考えているからです。

動物性油脂の水質基準に関しても、1日の排水量が2,000立方メートル以上であれば水質基準が適用されますので、ほとんどが水質規制の対象から外れてしまいます。

横浜市で食品加工施設の事業を考えている場合は、まず自治体へ直接問い合わせすることをおすすめします。
(参考:https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kasen-gesuido/gesuido/gesuidofaq/kojo/004.html

グリストラップを設置しない場合、飲食店の営業許可が下りるのか

営業許可の中に、グリストラップ設置の有無が必ず含まれるわけではありません。保健所の検査がありますが、設置義務がない自治体ではグリストラップを設置していなくても審査が通ることもあります。しかし、これは地域によって条件は変わります。

グリストラップを設置しないことによる不具合もいくつか考えらます。自主的に設置して衛生面や環境面などにも注意を払い、経営することが望ましいでしょう。

グリストラップを設置するメリット

グリストラップの設置は、衛生面や環境面からもいくつかのメリットがあります。また、グリストラップを設置しないことによるデメリットも複数存在します。では、グリストラップを「設置するメリット」にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからはグリストラップを「設置することによるメリット」を解説します。

排水に溜まったゴミや汚泥による害虫や臭いを防止できる

グリストラップは単純な構造になっているため、清掃を怠らなければグリストラップを設置していない場合よりもネズミ、ゴキブリといった害虫の侵入を防いでくれます。また、グリストラップの下水と繋がる部分には、トラップ管という部品がありますが、水中に設置されているため外から害虫が入れません。

また、排水前にゴミを除去できるように受けカゴも付いており、ゴミや油脂分が流れないようになっています。グリストラップがあるかないかは衛生面に大きな影響を与えます。

施設のイメージをクリーンに保つことができる

グリストラップを設置していないと、下水に対する対策が不十分と思われる可能性があります。企業は利益を追求するばかりではなく、社会への影響も考慮することが求められています。このような企業の社会的責任をCSRといいます。

グリストラップの設置により、衛生面や環境面に貢献している企業として一般社会にクリーンなイメージをアピールできます。設置基準がない場合でも、自主的に設置することによるメリットはとても大きいといえるでしょう。

そもそもグリストラップとは

そもそも、グリストラップとはどのような構造になっているのでしょうか。グリストラップの原理は、油が水に浮かぶという特性を利用したものです。この特性を利用して油脂分やゴミの除去を行い、排水基準に沿った水質を維持します。ここからはグリストラップの仕組みや、維持管理していくための清掃頻度などについて詳しく解説します。

グリストラップの仕組み

グリストラップは3槽構造で、油脂分やゴミを撤去します。第1槽で、残飯や生ゴミといった大きなゴミをバスケットで受け止めます。バスケットの編み目はご飯粒ほどの大きさになっており、ご飯粒以上の大きさのごみはここで受け止めます。小さなゴミは、沈殿させ第2槽目でせき止めます。

第2槽目では、流れてる水を仕切り板で勢いを弱め、分離した油脂分が第3槽目に流れるのを防ぎます。そして、第3槽できれいになった排水を下水道へ流すといった仕組みになっています。

グリストラップの清掃頻度

バスケット内のごみの除去は、できるだけ毎日行いましょう。ごみを長期間放置しているとにおいの原因や衛生面で問題が起こりやすくなります。またバスケットの目詰りを解消するために、バスケットの洗浄もあわせて行うことをおすすめします。

第2槽目に油脂分が溜まっていますので、油脂の除去は2〜3日に1回程度が望ましいといわれています。週1回では、特に夏場などに臭いが気になりますので、できる限りこまめに清掃を行いましょう。2〜3日に1度は底に沈殿している汚泥の回収、2〜3ヶ月に1度は排水トラップの掃除をすることできれいな状態を維持できます。 回収した油脂、汚泥は産業廃棄物として処理が必要となります。

グリストラップの清掃はプロに依頼できる

まめにメンテナンスや清掃を行い、きれいな状態を保つことは大切なのですが、こまめな清掃は従業員の負担にもなります。また、グリストラップ掃除用の道具を保管しておかなければいけません。

グリストラップ清掃のプロの業者もありますので、業者に依頼することで衛生面を維持できます。例えば「アイ・エス・ガステム株式会社」は、グリストラップ清掃に多くの実績があります。環境や衛生の維持、従業員の時間削減、設備の維持管理も期待できます。

グリストラップの設置は指定工事店に依頼する

グリストラップを設置する場合は、排水設備指定の工事店に依頼しなければいけません。また、自治体で業者を指定している場合もありますので、まずは電話で問い合わせてみましょう。

グリストラップにはいくつかの種類があり、施設の規模や建物の構造によって設置するタイプが異なります。排水設備の指定店に依頼すれば、店舗の規模や環境条件に合うようなグリストラップを設置してくれます。

グリストラップを設置したら排出されるゴミも適切に処分しよう

グリストラップから出るゴミも定期的に回収、清掃を行いましょう。グリストラップ内に溜まり排出されるゴミは、廃棄物処理法に則って資格のある業者に処分してもらう必要があります。グリストラップから出るゴミは全て産業廃棄物として扱われます。

自分で勝手に廃棄すると、法律違反になります。資格のある業者がわからなければ自治体に問い合わせると産業廃棄物の業者を紹介してくれます。くれぐれも自己処理せずに、専門業者に依頼しましょう。

まとめ

グリストラップを設置することで、衛生面や環境面で多くのメリットがあります。設置義務がなくても、設置することが望ましいといえます。また、グリストラップで溜まったゴミの処分、定期的なメンテナンスや清掃は、信頼のある業者に任せることで従業員の負担を減らすこともできます。

グリストラップの清掃やメンテナンスは「アイ・エス・ガステム株式会社」に相談してみましょう。優良産廃処理業者として認められているので、メンテナンス・清掃から最終処理までの一連の作業をサポートしてくれます。