グリストラップの掃除に資格はいる?汚泥処理に違反したときや掃除方法とは

社員食堂や飲食店などの厨房で発生した排水には、生ゴミや油脂が混ざっています。排水内の不純物を取り除いて下水道へ流すためには「グリストラップ」の存在が欠かせません。飲食店には重要なグリストラップですが、蓄積した生ゴミや油脂の掃除が必要となるので、無資格者がしてもよいのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では「グリストラップの掃除に資格はいるのか」「汚泥の処理で違反をした場合」や「グリストラップの掃除方法」までも解説をしていきます。グリストラップの掃除に関して把握すれば、いっそう衛生的な店舗経営が可能です。ぜひチェックしてみましょう。

グリストラップに掃除資格は必要か?

グリストラップは排水内に含まれる生ゴミや油脂を分離する装置ですが、装置自体が自動で浄化する機能はありません。そのため、蓄積したゴミの定期的な除去が必要です。掃除を怠ると不衛生な環境を生み出し、健全な経営が不可能となります。

衛生的な店舗でいるためにも重要なグリストラップの掃除ですが、資格がなくてもできるのでしょうか。詳しく解説をしていきます。

グリストラップの掃除資格は必要ない

結論からいうと、グリストラップの掃除に資格は必要ありません。掃除は大変ですが、店舗の責任者からアルバイトまで誰でもできます。

衛生的な店舗経営においてグリストラップは重要な装置であるため「掃除が難しそう」と思ってしまうかもしれません。しかし、分かりやすい構造をしており、掃除の仕方さえ把握すれば個人でも掃除が可能です。

グリストラップの汚泥の処理は認可業者に委託する

グリストラップは、排水内に含まれるゴミを取り除く過程で「汚泥」が発生します。この汚泥は、一般の廃棄物ではなく「産業廃棄物」として区分されています。そのため、一般ゴミとして捨てることはできません。グリストラップで発生した汚泥を一般ゴミで出した場合、違反となり処罰を受けます。

産業廃棄物は、産業廃棄物処理を許可された業者でしか処理はできません。汚泥を廃棄したいときは、処理許可を取得している業者に汚泥処理を委託しましょう。無許可の業者が処理をした場合、委託した側の責任も問われます。

産業廃棄物の処理を委託する際は「マニフェスト」の発行が法令で定められています。処理が完了したら、発行したマニフェストを業者から受け取り「法令に基づいて適切な処理がされたか」確認をすることが重要です。

グリストラップの汚泥処理を違反したときの罰則

「不法投棄する」「一般ゴミとして出す」「無許可業者に処理させる」など、グリストラップの汚泥処理で違反をした場合には重い罰則があります。代表的な罰則は次のとおりです。

・投棄禁止違反
一般ゴミとして出したり、不法投棄をしたりした場合は「投棄禁止違反」として罰せられます。5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金または併科となります。

・委託基準違反
産業廃棄物処理の許可を取得していない業者へ処分を委託した場合、「委託基準違反」となります。罰則は、5年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金または併科です。

・排出者管理票交付義務違反
処理を業者へと委託する際、マニフェストの未交付や虚偽の記載、記載漏れなどがあった場合の違反です。罰則は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

(参考:『群馬県産業廃棄物情報 HP』

個人で行う普段のグリストラップの掃除方法

グリストラップは、排水内に含まれる不純物を毎日取り除いています。グリストラップには自動で浄水する機能はないので、取り除いた不純物は日々蓄積されます。そのため、個人でも日頃の掃除が必要です。

掃除個所は大きく分けて3カ所に分かれており、それぞれで掃除の頻度や方法が異なります。では、どのくらいのペースでどのように掃除をすればよいのか、詳しく見ていきましょう。

バスケットのゴミは毎日取り除く

第1槽には、排水に含まれているゴミをキャッチするため、網目の付いた箱状のバスケットがあります。早いスピードで溜まっていくので、毎日取り除きましょう。

掃除方法としては、最初にバスケットをしっかりと水気を切ってから持ち上げます。バスケット内のごみは普通の生ゴミとして規定されているので、そのまま生ゴミとして燃えるゴミとして処分しましょう。その際、服に付着して汚れることが多いため、汚れてもよい服装で作業するのがおすすめです。

第2槽で浮いている油脂は最低2~3日1回取り除く

第2槽は油脂を取り除くエリアであり、長く放置すると発酵して悪臭の原因となったり、害虫発生の原因となったりします。最低でも2~3日に1回の掃除をしっかりと行いましょう。

第2槽では、油が水面に浮く性質を利用して、排水内の油脂分を水面に浮上させて分離します。調理で使う「あく取り」や「ひしゃく」などを使用して、水面に浮いている油脂分をすくってきれいにしましょう。

中華料理屋やラーメン屋など、油を多く使う店舗の場合は、様子を見ながら掃除をするとより衛生的な店舗を実現できます。

第3槽のトラップ菅は2〜3カ月に1回

第3槽は、不純物を分離してきれいになった排水を、最終的に下水道へつながる排水管へ流すエリアです。グリストラップの出口は「トラップ管」と呼ばれ、口が下部にあることで水面に浮いた油脂分を一緒に流すことを防いでいます。このトラップ管は、2、3カ月に1度の掃除が必要です。

トラップ管のふたを外し、手が届く範囲を金タワシなどでこすって掃除します。トラップ管が劣化していたら、業者に依頼したりホームセンターで購入したりして交換しましょう。その際、あわせてグリストラップのふたもチェックするのがおすすめです。錆びや傷みが発生していたら、交換をしましょう。

プロが行うグリストラップの掃除はバキュームを使う

グリストラップ掃除のプロは「バキュームカー」や「ポータブルバキューム」などの専用道具を使用します。

個人で掃除をすると、汚れが残ってしまいがちです。プロが使うバキュームは、その名のとおりゴミを吸い上げる道具です。グリストラップ内の汚泥や油脂分を強力に吸い上げることで、汚れを残すことなく隅々まできれいに掃除できます。

しかし、プロに掃除の依頼をすると、産業廃棄物の処理費用が含まれているためコストがかかります。さらに、処理は許可を受けた業者しかできません。許可を受けていない業者が処理をすると違反となるので「安心料」ともいえます。業者を選ぶ際は、安さだけでなくしっかりと許可を得て信頼できる業者を選ぶことが重要です。

グリストラップの掃除をプロに依頼するメリット

グリストラップは、生ゴミや油脂分を分離して蓄積するため、定期的な掃除が欠かせません。掃除を怠ると不衛生な店舗となり、客足が遠のいたり営業停止になったりする恐れがあります。

個人での掃除は手間や時間がかかるため、簡単なものではありません。そのため、グリストラップの掃除のプロに依頼するのがおすすめです。では、グリストラップの掃除をプロに依頼することのメリットを見ていきましょう。

掃除の負担や手間を減らせる

プロに依頼することによって、従業員の負担や手間を減らす効果があります。グリストラップの掃除は生ゴミや油を扱うため、悪臭がしたり汚かったりと、不衛生な状態での作業を強いられます。「きつい」「汚い」「危険」の3Kの作業ともいわれ、肉体的にも精神的にも大変な作業です。

プロに依頼することで、従業員がほかの仕事をできるようになり、効率性が上がります。さらに、肉体的と精神的な負担がなくなることで、従業員の定着率を上げられるのもポイントです。

より綺麗になる

個人で掃除をするよりも、プロに任せたほうが圧倒的にきれいに仕上がるのが魅力です。個人の場合、掃除用具が限られてしまうため、汚れが残ってしまう場合があります。

プロであれば、バキュームなどの専門道具を使用するため、隅々まできれいにできます。排水詰まりや悪臭、害虫の発生となる原因を根本的に解決できるので、より衛生的な店舗になるのがメリットです。

アイエスジーにグリストラップの掃除を依頼するメリット

グリストラップの掃除をプロに依頼するのであれば、アイエスジーがおすすめです。アイエスジーは、産業廃棄物収集運搬の許可を取得しており、マニフェストも確実に発行するため安心して任せられます。

バキュームカーや、高層階の場合でも対応可能なポータブルバキュームなどの専用道具を使用するため、徹底的にきれいにできます。清掃車は見ために配慮したトラック型車両ですので、飲食店のイメージダウンにならないのがうれしいポイントです。

まとめ

排水内のゴミや油脂を取り除くという重要な役割をもつグリストラップですが、資格がない個人でも掃除は可能です。

しかし、バスケット内の生ゴミ以外は産業廃棄物であり、許可を得た業者でしか処理できません。そのため、グリストラップの掃除はプロに依頼するのがおすすめです。

アイエスジーでは、ポータブルバキュームなどの専用道具などを使用して、知識やノウハウを有したスタッフが隅々まできれいに仕上げます。産業廃棄物収集運搬許可も得ており、確実なマニフェストの発行で安心してお任せいただけます。グリストラップの掃除は、ぜひアイエスジーにご依頼ください。