グリストラップ清掃に洗剤利用がおすすめできない理由

油分が多く清掃が大変なグリストラップですが、洗剤を使うことで効果的に処理することができます。ただ、洗剤を使った自己処理にはリスクも存在しています。適切な処理方法でグリストラップのゴミを廃棄するためには、プロの業者に依頼することがおすすめです。

そこでこの記事では、グリストラップ洗剤を使うリスクとともに、業者に依頼する際の費用や、業者選びのポイントをまとめました。

グリストラップの洗剤として売られている商品の効果

グリストラップを清掃するための洗剤として、販売されている商品が多数あります。1リットルあたり1,500~3,000円で売られています。

洗剤の中には臭いを除去したり、排水管が詰まることを予防したりする効果があると謳っている商品がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。「環境汚染に繋がることもある」というグリストラップ洗剤について詳しく解説していきます。

グリストラップにたまった油をサラサラにする効果

グリストラップ洗剤を使用すると、内部に溜まった油をサラサラにする効果が期待できると謳っている業者が多いです。なぜそれが可能になるのかというと、主成分に乳化剤を配合しているからです。

水分と油分が乳化状態になることで、サラサラになっているように見えます。乳化状態とは、水と油が分離せず混ざり合っている状態のことです。

サラサラにした油を流してよいか

乳化剤を配合している洗剤を使うことによって、グリストラップ内部の油脂分をサラサラにすることができます。ただ、サラサラになったからといって下水に流しても良いとは限りません。

一見環境汚染の原因となる原因が取り除かれているように見えますが、必ずしも原因となる物資が無くなっているとは限りません。そのため環境に優しいと言われている商品でも、環境汚染を引き起こしていないかをしっかりと確認する必要があります。

グリストラップ洗剤とグリストラップを設置する目的は相反している

グリストラップ洗剤は、グリストラップを設置する目的と相反する結果を生む可能性もあります。グリストラップは飲食店や食品加工施設などからの汚水を外に出さないことですが、グリストラップ洗剤によっては、汚水を外部に流してしまうこともあるからです。 汚水が外部に流れてしまう原因として、エアーレーションを導入していることが考えられますが、グリストラップの構造上不向きとなり、あまりオススメすることは出来ないため注意が必要です。

再度、グリストラップを設置する目的を細かく確認して、適切な処理方法について検討してみましょう。以下の項目で、グリストラップの設置目的やグリストラップ洗剤の危険性について解説します。

グリストラップ設置の目的は「汚水を外に出さないこと」

グリストラップの設置目的は、自然環境を考慮して食品事業所から排出される汚水を直接下水道に排出しないことです。油脂分を含む汚水を直接外に出してしまうと、周辺環境に悪影響を及ぼします。

グリストラップは、効率的にごみや汚泥と水を分離させてキレイな水を下水に流す仕組みです。環境汚染の予防に、ほとんどの事業者が設置しています。

グリストラップ洗剤が公正取引委員会から警告されたこともある

グリストラップ洗剤が公正取引委員会から警告された理由はいくつかありますが、決定的なものは次のものです。

・有機物による水質汚濁があり、環境汚染改善につながっていなかった
・洗剤投入後も、排水中の油の量が変化することはなかった
・乳化状態が長く続かなかった

グリストラップ本来の目的を果たす役割もないということも覚えておく必要があります。その上で使用すべきかどうかを判断してみてください。

「分解してサラサラ」洗剤よりもプロの清掃が効果的

要するに、油を分解してサラサラにすると言われるグリストラップ洗剤には、環境保護のために本来期待したい効果は期待することができません。使用したとしても、グリストラップを使う目的と相反した結果を引き起こしてしまうからです。

したがって、環境に配慮するのであれば適切な処理方法を選ぶことが必要です。信頼できる方法は、プロの業者にグリストラップの清掃やメンテナンスの処理を依頼することです。効率的に処理することができる上に、環境のためにも効果的な処理をしてもらうことができます。

グリストラップを清掃する理由

グリストラップは定期的に清掃を行う必要があります。水質維持と配管損傷の防止のため条例がありますので、汚れた水を出す以上「清掃は義務」です。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei10/
どうして掃除をする必要があるのか以下の項目で解説していきます。

グリストラップに溜まったゴミから異臭がする

グリストラップを清掃しないでいると、内部に溜まったゴミや汚泥から異臭がしてきます。残飯や野菜くずが溜まり、それに加えて油脂が蓄積していくため、時間とともに鼻を突くような臭いが強くなっていくのです。

臭いが強くなってくると厨房内でも気になるようになります。さらに状況が悪化すると、屋内全体にまで臭いが広がる恐れもあります。早い段階で対策を打たないと、周囲に悪い印象を与えかねないので注意しましょう。

グリストラップに溜まったゴミに虫が集まる

グリストラップは放置するとゴミがどんどん溜まっていきます。特にバスケットの部分は残飯などが溜まるため、可能な限り毎日掃除をしないとゴミが詰まって排水が逆流することもあります。

逆流するまでには至らないとしても、汚泥やゴミが溜まったグリストラップには害虫が湧いてくることもあります。害虫が増殖すると、加工前の食材を食べられたり、提供する料理に混入したりと著しく衛生環境が悪くなりますので、気をつけましょう。

グリストラップが完全に詰まると営業できなくなる

グリストラップにゴミや汚泥が溜まって詰まってしまったときには、営業を一時的に停止せざるを得ない状況になることもあります。実例として、グリストラップが詰まったことにより稼働を停止した飲食店も存在しています。

飲食店のように食品を扱って事業を営んでいる場合は、衛生面はお店の信用にも関わります。グリストラップが詰まるほどに衛生環境に気を遣っていないという印象が広がってしまうと、客数が激減するリスクもあります。定期的に清掃を行い、心地よい衛生環境でお客様に信頼を届けられるようにしておきましょう。

グリストラップは自分でもできるがプロへの依頼がおすすめ

グリストラップの清掃は自分で行うこともできます。バスケットのごみを処理したら、専用の洗剤を使用して油分を取り除きます。トラップ管も、手の届く範囲で自己処理ができるようになっています。

従業員に任せることで、外部のプロの業者に依頼することなく済ませることも可能です。しかし、そうした自己処理方法と比較すると、業者に依頼したほうが確実にキレイに清掃してもらうことができます。そのため、多くの企業がプロの業者に依頼して清掃しているのです。

プロによるグリストラップ清掃の価格相場

プロの業者にグリストラップの清掃を任せた場合、18,000~25,000円くらいが価格相場です。もちろん依頼する業者やグリストラップのサイズ、現場状況によって価格の幅は異なりますので、あくまで目安として見ておいてください。

価格に関係している要素としては「グリストラップ内の汚泥量や設置位置」「清掃をする頻度」があります。汚泥量は、縦×横×水深で何リットルあるかを計算すると算出できます。設置位置が高層階の場合は、必要な器具が変わり、時間や人件費も増える可能性があります。このようにいくつかの要素で費用が決まります。

グリストラップ清掃のやり方(アイ・エス・ガステム株式会社)

グリストラップの清掃のやり方は、業者によって異なります。ただ一般的な清掃の仕方に、大差はさほどありません。今回は、アイ・エス・ガステム株式会社に依頼した場合の作業の主な流れをご紹介していきます。

まずは費用にも関わる部分である現場に設置しているグリストラップの寸法を測ります。それ以外にも、施設の中やその周辺を確認します。場所によって、清掃作業に必要な器具が異なるため、現地確認を行った後に費用の見積もりを出します。

網かごの清掃

ここからは具体的な掃除のやり方をまとめます。蓋を設置しているグリストラップの場合は、まずは蓋を取り外します。

その中にはバスケットと呼ばれる網かごがあるので、一旦清掃しやすいように取り外します。その後、水を吹きかけて汚れを洗い流します。水によって汚れが落ちたらブラシで擦り、細かい汚れを落とします。最後にもう一度、水で洗い流して網かごの掃除を終わらせます。

仕切り板の清掃

網かごの掃除が終わった後は、仕切り板の清掃へと移ります。仕切り板は、第1槽・第2槽の間と、第2槽・第3槽の間にあるそれぞれの工程を仕切るための板です。

まずは、取り外して水でキレイにします。汚れがある程度落ちた後に、専用の洗剤を使用してブラシで擦ります。この作業を表面と裏面の両方で行い、もう一度水を吹きかけます。キレイになったら水を切って、グリストラップ全体の掃除が終わるまで横に置いておきましょう。

壁面の清掃

バスケットや、仕切り板といった中身の部品の清掃が終わったら、グリストラップ内部を清掃していきます。壁面上部の縁には油脂が、底には沈殿した汚泥があるため、壁面から先に汚れを落としていきます。

水を吹きかけながら、ブラシを用いてゴシゴシと洗います。水面よりも上の部分だけではなく、水面下の壁面部分も忘れずにブラシで擦っておきましょう。そうすることで、バキュームで吸引する前に再度壁面にこびり付いた汚れを落としておくことができます。

内部の汚水を吸引し内部を清掃

部品の清掃が終わり壁面もキレイにしたら、内部に溜まった汚水を吸引していきます。作業としては、バキュームが吸い終わるのを待つだけなので、その間に壁面などの残った汚れに水をかけながらブラシを当てます。

汚水を吸引し終わり、内部の汚れを完全にキレイにすることができたら、部品をもとの位置に戻します。ピカピカの状態で蓋を閉めれば清掃作業が完了となります。

グリストラップ清掃は信頼のおける業者に依頼しよう

グリストラップの清掃を行う業者は数多く存在します。ただ、失敗しない業者選びをするためにはポイントを押さえて見極めることが大切です。

「広域対応事業者かどうか」「汚泥の産業廃棄物処理業の許可を持っているか」「優良認定されているかどうか」という3つの点を確認しましょう。これらを満たしていれば、厳しい審査を通過してますので、信頼して任せることができます。グリストラップの清掃は、衛生環境、労働環境、事業運営にも関わる作業です。

無理して自己処理せず、信頼できる業者に依頼することが重要です。

まとめ

洗剤を利用したり自分で清掃したりすることで、費用を節約することはできます。ただ、簡単に入手できる洗剤は「環境に優しいものかどうか」の見極めが難しく、立証もされていません。また、自己処理するとその分スタッフに負担がかかったり、本来の業務の為の時間が少なくなったりするような影響があるのも事実です。

安易に自己判断せず、グリストラップの清掃に悩んでいる人は、信頼できるプロの業者に相談しましょう。効率的に安心して任せることができるので、本業に集中して時間を使うことができるようになるはずです。

アイ・エス・ガステム株式会社は、関東を中心に広域対応事業者であり、産業廃棄物処理業の許可をもっています。さらに、優良産廃処理事業として認定されているので安心して任せることができるでしょう。